長いことログハウスに住んでこられた老夫婦が、建設途中の「小荒間の家」を見てくださっていて、終いの住処として、「こんな家に住みたい!」と言ってくださり、南に富士山や南アルプスの眺望が広く開けた、潤建築のすぐ近くの土地に建てることとなりました。
お施主さんの希望で、構造材と内装材は全て桧を使いました。家に一歩足を踏み入れると、豊かな桧の香りと共に、ダイナミックな太鼓梁を使った、吹き抜けの大空間が迎えてくれます。雄大な山のパノラマのような景色を楽しめるよう、南面には大きな掃き出しの窓をつけ、その上部も大きなガラス窓にしたので、一日中明るく、あたたかい家となりました。
住まわれるようになってから、掃き出し窓から出られるウッドデッキの施工も依頼されました。リビングから直接目の前の畑に出て、収穫物を取り込んで室内に入ってくるという生活動線が、ますますよくなりました。
玄関から室内に入る扉の脇にもうけた、ステンドグラスの窓。室内の様子が、さりげなく分かる。
室内に一歩足を踏み入れると、存在感のある太鼓梁中心とした木組みの空間の広がりにおどろかされる。
南面には、正面にも、階段をあがった二階にも、大きな窓をつけ、南アルプスや富士山の眺望を楽しむことができるようにした。
大工の手によるカウンターとキッチン収納の数々。手前の無垢の厚板でできたダイニングテーブルは、建て主さん制作。
対面キッチンのカウンターには、耳付きの厚板を用いた。
空にのぼっていくかのような、木の階段。家の南面にもうけたガラス窓から、燦々と光が降り注ぐ。
二階からは、豪快な木組みを上から楽しめる。この土地は冬から春先にかけて強風がふき、敷地の周りにそれをさえぎるものがないので、強度を増すために斜材を入れている。
二階は寝室。大工の手によるクローゼットをつくりつけた。
二階からは、明るい木のベランダに出ることができる。
家の南面に広がる畑と、畑から見た家の外観。