建築家の中村大補さんが主宰するPDO(パッシブデザインオーケストラ)のスタジオの施工を依頼されて、つくりました。普段は手刻みではなく、プレカットが多い中村さんですが「この六角系の木組みは、潤さんの手刻みでないと」と、頼まれました。六角形の中心に据える柱には、地元の松を。皮と剝ききらずに用いることで、木がこのスタジオを支えているという雰囲気を出しました。PDOのお客様は、ここを訪れて、契約に至ります。そのような大事な場所を施工させてもらえて、嬉しい限りです。
森の中に立つ、六角形の平面をもったスタジオ。
上野玄起さんの鉄作品が随所に使われている。
八ヶ岳の山野草を植えた庭と森とを眺めることのできる石のベンチ。
六角形の平面の中心に、木の幹のようにして立つ松の柱。枝のように六本の梁がのびる。大木の下にいるような安心感のある空間。
「この複雑な組み方は、優秀な大工さんの手刻みでしか実現できない」と、PDOの中村さんからの熱いラブコールがあって、潤建築で施工することに。
柱の右側にある、一見、不要に思える細長い小さな窓があることで、構造を支える柱が、存在感を伴って見えてくる。
このあたりが建築家の中村さんのセンス。
六角形の二辺が森を向いた大きなガラス窓になっている。
PDOの共同経営者で中村さんのインタープリターをつとめる細田東男さんは、森を向いて、立って仕事をすることも多いという。
PDOを主宰する建築家の中村大補さんと横山潤一。
屋根裏の設計部屋では、中村さんが尊敬するフランク・ロイド・ライトの人形が、中村さんの設計作業を厳しく見守る。