既存の家の手前に、娘さん親子が寝泊まりするための棟を増築しました。玄関は共有とし、ウッドデッキを介して互いに声をかけられるようにしつつ、独立性を保てるような設計を工夫しました。屋根の勾配や床面の階高など、母家との連続性を矛盾なくとるのに、神経を使いました。材料はすべてが県産材、壁はエコクイーンという珪藻土仕上げです。
奥が既存の住まい。元の住まいの玄関につながる形で、手前の棟を増築した。
増築した棟の妻面。右手の屋根勾配を、既存の建物に合わせた。
新しくできた玄関先の空間を、カーポートとして使えるよう、軒を深く出した。深い軒の出をしっかりと支えるために万全な木組みをした。
新しい玄関。正面に進むと親世帯へ、左に入ると子世帯へとつながる。上がり框には、耳付きの材を磨いた式台をもうけた。
子世帯の板敷きと畳のリビング。敷居を三本引きとして、建具をすっかり引き込んで、一体の空間として使えるようにした。
収納をかねた箱階段をのぼった先はロフトで、寝室として使っている。
屋根裏部屋の隠れ家のような雰囲気の寝室。窓からの陽射しで目が覚める。
美しい木目の梁、障子窓の枠など、それぞれの木の表情が、部屋の雰囲気を豊かなものにしてくてる。